関節リウマチの症状緩和と健康維持のための運動療法

関節リウマチ(RA)では、適度な運動を取り入れることで関節の動きをスムーズにし、痛みやこわばりを和らげる効果が期待できます。特に寛解期には、運動を通じて体力や筋力を維持することが重要ですし、体重減少によって膝や足首の負担を減らすこともできます。

もちろん継続的に運動することは難しいので、できる限りで構いません

ただし、疾患活動性が高いとき(炎症や痛みが強いとき)は、無理な運動を避け、安静を大切にしてください。

まずは初心者向けの運動例を紹介します。

初心者の方向けの運動

運動が初めての方や、関節に痛みや違和感が残っている方におすすめの簡単なエクササイズです。

 

1. 手指のグーパー運動

目的: 指のこわばりを解消し、関節の動きを滑らかにします。

やり方:

手を開き、指を最大限広げます。

ゆっくりと握りこぶしを作り、再び開きます。

これを10回繰り返します。

ポイント: 無理に力を入れず、ゆっくり行いましょう。

 

2. 膝の伸ばし運動(太ももの筋力強化)

目的: 太ももの筋力をつけ、膝への負担を軽減します。

やり方:

椅子に座り、背筋を伸ばします。

片足をゆっくり前方に伸ばし、5秒間そのままキープします。

元に戻し、反対側も同様に行います。

両足で5回ずつ行いましょう。

ポイント: 痛みを感じる場合は無理をせず、足の角度を調整してください。

 

3. 足首回し運動

目的: 足首の柔軟性を高め、歩行をスムーズにします。

やり方:

椅子に座り、片足を少し浮かせます。

足首をゆっくり時計回り、反時計回りに5回ずつ回します。

反対側も同様に行います。

ポイント: 足首を大きく動かすことを意識しましょう。

日常的に運動をしている方へのおすすめ

日頃から少し運動を取り入れている方は、関節に負担をかけずに継続しやすい運動を意識しましょう。ここでは、関節の柔軟性を維持しながら、筋力や持久力を向上させる運動をご紹介します。

1. ゆったりウォーキング

  • 目的: 軽い運動で全身の血流を促し、関節の動きをスムーズにする。
  • やり方:
    1. 屋外や室内で、10~20分程度ゆったりとしたペースで歩きます。
    2. 足を大きく動かし、腕も自然に振りながら歩く。
    3. 可能であれば、坂道や階段の少ない平坦な道を選ぶ。
  • ポイント: 無理をせず、自分のペースで歩きましょう。関節の痛みが出たら無理せず休憩を。

2. 椅子に座ってできるもも上げ運動

  • 目的: 太ももの前の筋肉を鍛え、膝の安定性を向上させる。
  • やり方:
    1. 椅子に浅く座り、背筋を伸ばします。
    2. 片足をゆっくり床から持ち上げ、3秒キープ。
    3. ゆっくり元の位置に戻し、反対の足も同様に行う。
    4. 各足5回ずつ、慣れたら10回ずつ行いましょう。
  • ポイント: 足を持ち上げるときは、膝を伸ばしすぎないように注意してください。

3. ふくらはぎの筋力アップ(かかと上げ運動)

  • 目的: ふくらはぎを鍛えて血流を改善し、歩行を安定させる。
  • やり方:
    1. 壁や机に手を軽く添えて立つ。
    2. ゆっくりとかかとを上げ、つま先立ちになる。
    3. 2秒キープして、ゆっくりとかかとを下ろす。
    4. 10回繰り返す。
  • ポイント: バランスを崩さないように、手をしっかり支えながら行いましょう。

4. 簡単なヨガストレッチ(チェアヨガ)

  • 目的: 姿勢を整え、肩や腰のこわばりをほぐす。
  • やり方:
    1. 椅子に座り、背筋を伸ばします。
    2. 両手を頭の上で組み、ゆっくりと左右に倒す。
    3. 5秒キープした後、元に戻し、反対側も同じように行う。
    4. 3~5回繰り返す。
  • ポイント: 呼吸を止めず、ゆっくり行いましょう。

運動時の注意点

  • 痛みがある場合は中止: 運動中や後に痛みを感じたら、無理をせず休むことが大切です。翌日に不快なほど痛みがあるようならその運動はやりすぎなので少し回数や程度を落としましょう。徐々に負荷を高めればいいのです。
  • ウォームアップとクールダウンを徹底: 運動の前後に軽いストレッチを行い、筋肉をほぐしましょう。
  • 水分補給を忘れない: 運動中はこまめに水分を摂りましょう。