膠原病の方のためのワクチンガイド

膠原病の患者さんは基本的には免疫抑制剤を服用しているため、感染症のリスクが一般の方より高くなります。
特に肺炎、インフルエンザ、帯状疱疹などの感染症は重症化しやすいため、予防のために適切なワクチン接種が重要です。

ここでは、関節リウマチ患者さんが接種可能なワクチンを年齢別にまとめました。

 

年齢別ワクチン一覧

ワクチン名 対象年齢 製品名 費用 公費補助 概要・推奨理由
インフルエンザ 全年齢 インフルエンザHAワクチン 約3,000~4,000円

65歳以上:

公費負担あり

毎年の接種推奨。免疫抑制剤を服用している方は、重症化リスクが高いため、必ず接種を。
肺炎球菌(23価) 65歳以上(定期接種)、それ以下でも接種可 ニューモバックスNP(23価) 約7,000~9,000円

65歳以上:

一部公費負担

肺炎の予防に効果的。免疫抑制剤使用中の方は特に推奨。
肺炎球菌(13価) 全年齢(医師の判断) プレベナー13(13価) 約10,000円 なし 23価ワクチンと併用するとより強力な予防効果
帯状疱疹 50歳以上

シングリックス

(不活化ワクチン)

約20,000円×2回

2025年4月から65歳以上:

公費負担あり

 

免疫抑制剤を使用している方は帯状疱疹のリスクが高い。生ワクチン(ゾスタバックス)は免疫抑制剤使用中は不可。

RSウイルス(RSV) 50歳以上で重症化リスクのある方 アレクシヴィ(Arexvy) 未定(2024年承認) なし RSウイルスによる肺炎・呼吸器感染症を防ぐ。肺疾患のある方に特に推奨。
新型コロナ 12歳以上 コミナティ(ファイザー)、スパイクバックス(モデルナ) 無料(公費負担) 公費負担 免疫抑制剤を使用している方は重症化しやすいため、接種推奨
子宮頸がん(HPV) 45歳以下の女性(推奨) ガーダシル(4価)、シルガード(9価) 無料(定期接種対象者)/自費約30,000円 小学校6年~高校1年生は公費負担あり HPV感染による子宮頸がんの予防。免疫抑制状態ではHPV感染リスクが上がるため、接種推奨。

ワクチン接種時のポイント

✅ どのワクチンを選べばよい?

  • 肺炎球菌ワクチンは「13価」と「23価」の両方を接種するのが最適(順番は医師と相談)。
  • 帯状疱疹ワクチンは、不活化ワクチンのシングリックスが推奨(生ワクチンは免疫抑制中は接種不可)。
  • HPVワクチン(子宮頸がん予防)は、免疫抑制剤を使用している方にも有効

✅ ワクチン接種時の注意点

  • 🩺 必ず主治医と相談してから接種を決めましょう。
  • 💉 免疫抑制剤の使用状況に応じて、接種のタイミングを調整する必要があります。
  • ⚠ 副反応(発熱・腫れ・倦怠感など)が出る場合があるため、接種後は体調に注意。

✅ 公費負担があるワクチン

  • インフルエンザ(65歳以上)
  • 肺炎球菌ワクチン(65歳以上)
  • 新型コロナウイルスワクチン(全対象者)
  • 子宮頸がんワクチン(小6~高1の女子対象)

医療機関によって費用が異なるため、接種前に確認をおすすめします。


💡 まとめ

  • 膠原病の方は、感染症に対する免疫力が低下しているため、ワクチン接種が重要です。
  • インフルエンザ・肺炎球菌・帯状疱疹・RSウイルス・新型コロナ・HPVワクチンの接種を推奨します。
  • 主治医と相談しながら、年齢や病状に応じたワクチンを適切なタイミングで接種することが大切です。免疫抑制剤を続けながら接種するべきなのか、一旦中止するのか、また適切なタイミングなのか相談していきましょう。